バンクーバーではキレイな景色やカッコよく気持ちのいい景色を見る機会がとても多かった
サイプレスルックアウト、ロンズデールキー、スタンレーパーク、グランビルアイランドなどなど
その場所そのものもすごくキレイで気持ちがいい
そんな中共通して思い出すことがある
悠々と立ち並ぶビル群、ダウンタウンの景色だ
遠くから眺めると、その中にいる時には感じられない世界観を感じる
スーツを着こなし颯爽と歩くビジネスマン
きっと片手にはテイクアウトしたコーヒーを持っているんだろう
おしゃれをして待ち合わせる若者
顔を合わすと眩しい笑顔でお互いを迎え合う
細い自転車にピタピタの服を着て小さなヘルメットを被り虹色に光るサングラス
一漕ぎでずいぶん遠くまで進むだろう
あながち見当違いでもないけれど、実際はもっと日常的で生々しい
キレイなものも、汚いものもそこには分け隔てなく存在している
憧れるような存在と、ともすれば蔑まれるような存在が同じ空間を行き来している
初めてその中に入った時は少しの戸惑いもあった
しばらく過ごすと、そこでのバランス感覚が身についてくる
移り変わる景色の中に相容れないものが同居している
その成り立ちを紐解いていくと
きっと優しさや妥協、思い込みや温かさが入り混じっているんだろう
そこで暮らすそれぞれが、それぞれの価値観で選んだ結果その街の景色が生まれる
遠く離れた場所から眺めているだけでは感じられない街や人の温度
両側から観て、よりこの街のことが好きになった